ソルベンシーIIにおける比例性は、保険会社に新たな可能性を広くもたらします。比例性の制度は、小規模かつ複雑ではない事業体(small and non-complex undertakings、SNCU)として知られる、より複雑性の低い保険会社について、そのリスク特性により即した形で要件を整合させることにより、規制上の負担を軽減することを目的としています。また、一定の条件の下では、より大型の保険会社にも柔軟性を提供します。最近では、欧州保険・年金監督機構(European Insurance and Occupational Pensions Authority、EIOPA)が、さらなる監督上のガイダンスの一環として追加の技術的仕様書も公表しました。これらの文書は、改正後の指令書(Directive)および委任規則(Delegated Regulation)の計算および解釈を支援するための具体的内容を示しており、比例性措置の適用機会を検討し始める明確な動機付けとなっています。改正後の規則は、2027年1月30日から適用される予定です。
最近公表された技術的仕様書は、計算手法に関する更新版ガイダンスを示しており、保険会社が比例性措置の適用を申請できるかどうかを判断するための詳細分析に着手する強い動機となっています。本稿では、比例性措置を適用するために従う必要のある要件および手続き、ならびに講じることのできる初期対応とステップについて知見を提示します。
主な論点は以下のとおりです。
- 比例性措置:報告、ガバナンス、計算上の論点、リスク管理に焦点を当てた幅広い措置の概要
- 手続き:比例性措置を取得するための2つの独立した規制上の経路、SNCU区分の手続き、およびSNCU資格に関する否定的分類
- 初期対応:定量的報告テンプレートを用いたSNCUの区分要件を満たすかどうかの確認、および事業体がすべての基準を満たさない場合に講じるべきステップ
- オランダ法:法令への組込みに関する詳細、およびソルベンシーII指令(Solvency II Directive)との相違点
- キャプティブ保険会社:キャプティブ保険会社に特有の分類手続きと、適用され得る負担軽減措置
- グループ:グループ・ソルベンシーを計算するための2つの手法と、SNCU資格とは独立して適用される負担軽減措置